原崎勇次氏の医者いらずシリーズについて

 書籍を紹介したので内容の一部を紹介します。
 原崎氏は自ら様々な療法を自分の体で試し効果を確かめたそうです。療法の中には効果がなければマシな方で、しばらく歩けなくなった療法もあったそうです。
 原崎氏が言うには治療法はその人によって適切な方法があって誰にでも同じ治療法が通用しないと言っていました。
 体のひずみに関しても、無理に治すのは良くないと書いていました。歪んでいるようで丁度バランスが取れている場合もあるそうです。
 人間の体は大概大なり小なり歪んでいて、前後左右に体を均等に動かす体操は歪みを強調するため、百害あって一利なしなのだそうです。ラジオ体操に関してはやらないよりはましという程度だそうです。
 排泄に関しては大便は毒素の塊なので速やかに排出すべきだと言っていました。
 睡眠は量よりも質を追求すべきだと言っていました。短時間でも睡眠が深ければ疲労は完全に取れるのだそうです。
 また老化は年齢とは関係なく、運動をしないために筋肉が衰え、筋肉が衰えると骨の中身がスカスカになり、骨がスカスカになると内臓が弱って老化するのだそうです。困ったことに運動不足には自覚症状がないことです。
・「医者いらず体操法
 医者いらず体操法では4つの段階で肉体を変えていきます。
1.消極的修正体操
 故橋本敬三医博が開発した修正体操だそうです。
 橋本医博は独自の健康法・療法を開発し97歳まで生きました。
 橋本敬三氏についてはWikipediaなどをご参照ください。 
 動かしやすい方、快感のある方に動かす修正体操です。
 ひずみは偏り、ねじれ、前屈・後屈、骨盤の開閉、重心が丹田(人体の中心位置:ヘソと腰椎3・4番と恥骨を結んだ三角形に接する球の中心)より上がっているなどがあります。これらを修正します。
 比較的新しいひずみを治します。
2.積極的修正体操
 これは1の消極的修正体操で比較的新しい歪みを修正した後に行う修正体操で動かしにくい方向に身体を動かします。
 比較的古いひずみを治します。
3.柔軟体操
 柔軟であるほどエネルギーを多く使えることができます。疲れにくい体になります。
4.強化体操
 身体を強化させる体操です。
・「医者いらず呼吸法」
ブックカバーの紹介文を掲載します。
「腹圧を高めることは心臓と同じぐらい大切だ。―原崎勇次
◎呼吸法は1円のお金もかからない。
 器具もいらない。
 どんな貧乏人でもできる健康法である。
 それがかえって呼吸法の価値を認めにくくしているのかもしれない。
 腹式呼吸は横隔膜の上下運動によって行われる呼吸形式である。
 横隔膜は肝臓のマッサージ役をつとめている。
 したがって腹式呼吸は肝臓の機能を活発にし、肝臓を強化するのである」
 (腹式呼吸は胸式呼吸と比べて3倍二酸化炭素を吐けるのだそうです。)
 この本では様々な呼吸法を紹介しています。
「呼吸とはいわば酸素と炭酸ガスの交換運動だが、フランスのエストリポーはガンの原因を追求しその一因が体内にある炭酸ガスであることを発見した。また、ドイツのワールブルグはガン組織には著しく酸素が欠乏していると報告している」
「実際京都府立医科大学では高圧酸素を用いてガン治療に成績をあげている」
「呼吸の科学的作用は次の3つに分けられる
 ①化学的作用
 ②物理作用
 ③身体精神的作用
呼吸法の実践
1.人間本来の呼吸=自然呼吸法
 よく眠っている赤ちゃんと同じ呼吸法です。
 横から見ると下腹をへこませながら吐く息に力を入れてゆっくりと息を吐きだし、
 ついでその反動で腹を出しながら吸う息を早く行い
 少しその息を止めてから
 また下腹をへこませながら吐く息に力を入れてゆっくりと息を吐きだす
 これが人間本来の自然呼吸です。

自然呼吸は次の四つに分けられる

①吐く息は力を入れてゆっくり長く吐く

②吸う息は吐いた息の反動で短く吸う

③吸った息はしばらく止める

これは空気が肺の中で十分に拡散する必要があるからである

④そしてまた吐く息に力を入れてゆっくり長く吐く

基本呼吸法の訓練方法――その姿勢
・結跏趺坐(けっかふざ)
首と肩の力を抜く
あごを引く
肩は左右水平に張る
背筋を伸ばし胸を前に突き出す
脇の下に卵を一個分はさんだつもりで脇をやや開く
手のひらを上に向けて開く
上半身は力を抜き、下腹から足にかけてはいつも力がこもっているようにする。
肛門を締めることがコツ。
・立ち姿勢の場合
あごを引く
背筋を伸ばし胸を張る
両肩は水平に
ガニ股にならないようにする
左右の足を腰幅に開き、足先をまっすぐ前方に向けて平行に開く
足の親指に力を入れる

・腰を掛けた場合

あごを引く
左右の方は水平にして力を抜く
背筋を伸ばし胸を張る
椅子の背もたれに寄りかからないこと
手のひらを上に向けて開く
腰は前に突き出す
腰掛は固い方がよい

・正座の場合

あごを引く
首と肩の力を抜く
背筋を伸ばし胸を張る
左右の方は水平にして力を抜く
手のひらを上に向けて開く
両足先を上下に重ねない

・寝ている場合

両手を斜め下に向け手のひらを上に向けて開く
両足は腰幅に開く

2.腹式呼吸法の練習

①まず、これまで述べたような正しい姿勢をしてから下腹を引っ込めながらできるだけゆっくりと力をこめて息を吐く。

下腹の皮が背骨にくっつくぐらいまで息を吐ききる。

②息を吐ききったら腹の力を抜いて反動で下腹をふくらませながら素早く息を吸う

この際に意識を下腹に集中する。

目は閉じているほうが意識を集中しやすい

③その息をちょっと止めて――

④下腹を引っ込めながらできるだけゆっくりと力をこめて息を吐く

このような腹式呼吸の練習時間ははじめは短時間でもよいが30分ぐらいは続けられるようにしたいものである。

息を吐く時間ははじめ20秒吐くのもたいへんだが、練習して馴れてくると吐く息が約1分間吸う息が約5秒以内になる。

このくらいになれば完全である。

3.完全呼吸法の練習法

 前に述べた自然呼吸、つまり赤ちゃんの呼吸法でもある人間本来の呼吸法を完全呼吸法という。子の呼吸法は肺臓の各部分と呼吸作用に関連した全筋肉とを活動させる呼吸法である。

 完全呼吸法を実行するにあたって重要なことは呼吸運動に関係した全筋肉が十分かつ完全に働けるようにすることである。

①前述のように正しい姿勢をとる。

②吐息

息を吐きだすというよりも吐息ごとに腹を引っ込め息を絞り出し押し出す気持でやる。

吐息の時には足と腹筋に力がはいっていること。

③息を八分目吐いてあと二分ぐらい残ったころに腹と足の力を少しゆるめて背を静かに伸ばしてゆく

そうすると息は自然に入ってくる

④吸気

(イ)まず下肺に吸い込む。この時には横隔膜を下げ気味にする。つまり腹部が前に出る

(ロ)次にちょっと肋骨を開いて肺の中ほどに息を吸い込む。この場合には胸を突き出す気持ちでやる

(ハ)さらに肺の上部を突き出して息を吸い込む

(二)最後に肩を上げ鎖骨部に息を吸い込む。この時には下腹が少し引っ込むから肺の最上部まで息が行き渡る。

吸息の(イ)~(二)は実際には連続して行う。

その要領は横隔膜から鎖骨に至るまでの胸腔(きょうくう)を吸息しながら静かに順次広げていく

以上の②~④を繰り返す。

この完全呼吸法は後に述べる調息集中法と感情コントロールの呼吸の基本であるから十分に体得する必要がある。

4.驚異の呼吸法――調息集中法の練習

「調息集中法」とは原崎勇次氏が提唱する独特の呼吸法である。

 この呼吸法を続けていると抑制力が高まり脳の働きが安定するので神経の興奮・緊張の結果生ずるノイローゼ、心悸亢進、胃酸過多症、胃潰瘍、糖尿病、慢性胃腸病などが、すべて治ってしまう。

①まず前に述べた正しい姿勢をとる。できれば結跏趺坐。

②吐息は下腹を引っ込めながらゆっくりと力を入れて息を十分に長く吐く。

下腹が背骨にくっつくぐらいまで腹の中のものを絞り出す感じで行う。

③吸気は吐息の反動で腹を出して息を吸うが同時に胸郭を広げて素早く胸いっぱいに息を吸う。

④少し息を止めてから――

⑤また息を②と同じにゆっくりと長く吐く。

⑥なるべく静かなところで行い他の事に意識を奪われないようにする。

目はどこか正面の一点を見つめるか目を閉じて鼻先か両目の間を見つめ何も考えないようにする。

 これを毎日30分~1時間行うとその効果は見る見るうちに出てくる

 この呼吸は副交感神経型であり、意識の集中そのものは交感神経を刺激することである。

 したがって交感神経と副交感神経がともに刺激されバランスがとれ、自律神経の働きが活発になるわけである。

 自律神経の働きが盛んになればその支配を受ける自然治癒力が旺盛になり治病に対して絶大な効果をもたらすことになる。

副交感神経

↑↑↑↑↑ 自律神経の働きが = 自然治癒力

↓↓↓↓↓ 活発になる      旺盛になる

交感神経

 またこの調息呼吸法を基本にすると次に示すように感情もコントロールできるようになる。

5.感情コントロールの呼吸法

消極さ  肩を下げ背中と腰に力を入れ胸を張る

ナマケ心 あごをグッと引き腰に力を入れて手を外側にねじる

優柔不断 腰と足に力を入れながら一気に呼吸をする

ガリ  下腹から腰、足に力を入れながら息を強く吐く

ショック 足の親指に力を入れアキレス腱を伸ばして息を吸う

興奮   膝と胸を思い切り開いてゆっくりと呼吸する

欲求不満 体を後ろに反らし今一番やりたいことを考える

動揺   胸を張って腰に力を入れ長い呼吸を繰り返す

怒り   上半身の力を抜いて体をねじる

不活発  あごを引き、背中を伸ばして胸を張る

不愉快  下腹に力を入れて静かに深い呼吸をする

不安   体を後ろに反らして呼吸をする

不快感  上半身を反らして深い呼吸をする

アセリ  胸を広げ力を抜いて体をゆすってみる

イライラ 肘をピンと張り体を左右にゆすってみる

 また、「精神」についても載っています。健康は精神7割肉体3割と言われ、「心が綺麗になると病気が治る」と説く宗教家もいます。
 Amazonのレビューを見ると全員が5を付けています。「おなす」というブロガーの方も「おなすインフォメーション」というブログでこの本をべた誉めしています。